2012年12月14日金曜日

SL12 ウィンタービブタイツ

寒いと億劫になるのが、身にまとうウエアの点数が増えること、
ライド前の準備がめんどくさい、というのがあります。

インナーの上にこのビブを履いて、ジャケットできめる、
それだけで走りにいけるのが、まず大きな魅力です。


SL12は高級素材を手間ひまかけた製法で仕上げた
ウエアの高級ラインに位置しています。



カタログ写真とは違う、素人写真の別アングルにて。
前面、側面、背部、関節部と違う素材を適材適所配していて、
ピットリフィットして、とにかく動きやすい!

表面にはテフロン加工がされていて、軽微な雨、雪ならば弾くという代物です。



股関節周りがモコモコしがちなウインタータイツとは一線を画するタイトな仕上りで、
パッドも良好、座りやすくペダリングもしやすく、夏の薄手ウエアと余り変わらず
軽い印象でライド出来ます。



足首周りもぴったりフィット、
裾ゴムが地肌でもやさしくホールドしてくれます。

もちろんロングソックスの上からでもズレあがりません。

タイツを履くのは往々にして面倒ですが、
ジッパーがついているので、履き脱ぎも楽々で、
すぐにライドにいけます。


生地はどこの部位も、滑らか、スムースでとても心地よい肌触りです!
背中は通気に優れていパネルで、ビブのテンションもきつ過ぎず上半身も快適です。

各種素材の縫い代も、柔らかくまるで気になりません。
不快指数はゼロ、といえるタイツです。

ジッパーもついているので、小銭やカギはこちらに収納して、
ジャケットには補給食、ポンプ、携帯などにスペースを回せます。

ウィンターアイテム全般がそうなのですが、
とにかくぴったりフィットして、なるべく春夏と同じ動き、ライディングフィールが得られるように
配慮がされていることがビシビシ伝わってきます。

寒い冬でも、重くダルいライドではなく、
快活なライドを楽しみたい方はぜひチェックしてみて下さい!



2012年12月13日木曜日

ウィンターアイテム2

寒さは末端から!

手のひらはグローブで、耳はイヤーカバーで防寒しますが、
足はシューズカバーで対策します。

昨今のシューズは足へのピッタリとしたフィット、発汗によるムレ防止の高い通気性、
とペダリングパフォーマンスを最優先しています。

そのため、レース強度ならまだしも、冬に行う基礎トレーニングでは、
厚手のソックスも履きづらく、何より冷えやすい。。。

そこで、シューズカバーが必至となるわけです。


寒さが緩んだり、高強度で乗るときオススメなのが、この

特に冷えやすいつま先を重点的にカバーしてくれます。



このように足首の自然な動きを阻害しないので、
冬の高強度でのレースやトレーニング、
秋や春先にもピッタリな仕様です。



足裏からの冷気もシャットアウト。
フレキシブルな装着感で、どのシューズにも合いそうです。
スリムなMTBレースシューズならば転用も可能ですね。
ただし歩くことは、つま先の消耗のためにオススメはしませんが。

実際につま先にカバーをすると足全体の冷え防止になるので、
効果が高く、これだけでもかなりの寒さを防げます。
気軽に装着できるので、出発前に玄関で時間を取られないのも
ポイント高いです。

これは、どなたにもオススメできるアイテムです。


次は、足から足首にかけて全体を覆うタイプ、


レーシングなシューズをカバーしてもイメージ、ルックスを崩すこと無く、
ダブつかず、もたつかない、シャープな印象を与えてくれるシューズカバーです。

足首まで覆われていますが、足元が重くなること無く、プロが自分で応用して履くような
ソックス使い捨てカバーのようなフィット感です。


薄手ですが、防風の上、防水でもありすので、寒い時期だけでなく、
シーズン中の冷たい雨の中でも重宝します。
足を冷やさないととともに、お気に入りのシューズの汚れ防止にもなります。

自分もニューSワークスシューズをおろしてすぐに雨中ライドにあいましたが、
このおかげで汚れること無く救われました。



足首のフィットも他のウィンターアイテム共通のリブ&シリコンラバーで
やさしくしっかりフィットしてくれます。

ジッパーも内側に配置、装着しやすく、当たりも気になりません。

ペダリングフィールも自然です。
また、表皮がしなやかなので、BOAダイヤルも数ノッチでしたら、
カバーの上からでも調整ができます。
S-Wシューズユーザーにオススメです。

寒さ厳しい時期、シーズン中の雨、と辛い時の救いになりますので、
ぜひご用意してシビアコンディションを乗り切って下さい!


熱心なサイクリストは、どちらもマストアイテムですよ~


2012年11月21日水曜日

ウインターアイテム1

寒い季節でも快適にライドするには各種のウィンターアイテムが欠かせません。

そのなかで、今回はオールシーズン活躍するベーシックアイテムでもある、
ニーウォーマーを紹介します。



各部で伸びや保温性の違う素材を使い分けていて、またペダリングに合わせた
カッティングになっていて、暖かさはそのままに
とても動きやすくなっています。


なかでも、端のバンド部は特筆モノです。

シリコンバンドなどを用いて、ズリ落ちたりしないように、しっかりと止めるのが通用ですが、
それだと、皮膚を圧迫し過ぎたり、場合によってはミミズバレのような擦れを
起こすこともも極度の乾燥した場合などにあります。

それを防ぐためにも、編みこみの長い面積でフィット、ずれないように作られています。
シリコンはマークの一部のみにとどめて、とても肌に優しくなってます。



このような装着感です。局部的な締め付けもなく、本当に快適そのもの。
ペダリングしていても、縫い目の当たりや圧迫を感じることもありません。


また、最近の定番であるサイクリングパンツの裾ゴム、
緩いテンションで広い面積で密着させるものになりますが、
これとも相性抜群です。

お互いが優しく密着させあう事で、ズレを防いでくれます。

そのホールド性を確かめるために、この組み合わせでランニングをしてみましたが、
微小なズレ落ちにとどまってくれました。

衝撃と大きな動きのランニングのあるで大丈夫であれば、サイクリングならば
まず問題ないでしょう。

概ね15度くらいまではこのニーウォーマーで、それ以下~10度だとレッグウォーマーを使い、
それ以下ではウィンタータイツを履いて対応します。



ちなみに同様の作りで使いやすい、
アームウォーマーとレッグウォーマーもあります。

こちらも是非揃えて、気温などコンディションに応じて使い分けて下さい。


2013 New S-Works Road Shoe

トム・ボーネンら世界トップ選手が開発段階から徹底的にテストし尽くしていた
Sワークス ロードシューズがついにリリースされました!


細身で端正なルックスは日本人の足型には合わない?
なんて思うほどにシャープで、次世代のシューズであることをアピールしてきます。

しかし、心配はありません!

自分は旧サイズでは41を履いていましたが、ニューでは40.5を履いてピッタリです。

アッパーの素晴らしいフィット感は、余計な空間、サイズを必要とせずに
自分の足をしなやかに包むかのようにフィットしてくれます。

ごわつき、アッパーの遊び、が皆無といっていいでしょう。

このシューズを選ぶときには、試履をしっかり行なって、
ジャストサイズを選んでみて下さい。



内側からみたこれ以上ないシンプルでミニマルなアッパーが、
軽さ、フィット性、通気性を高いレベルで実現してくれます。

アウトソールはもちろんアーチサポートが組み込まれたカーボン、
そのアーチサポートも、前足部まで回りこむようになった結果、
拇指球あたりのホールド感、安定性が極めて高い!


これはペダリングのダウンストローク時に、足の微小な変形やブレを抑えてくれて、
気持ちよくペダルにパワーを伝えてます。


内反ウエッジを一枚減らしても大丈夫、と思えるのほどにしっかりと
ホールドしてくれます。


この効果はとても高く、アーチサポートの無いシューズから履き替えたら
比較にならないほどの差、効果を感じるでしょう!



カーボンソールももちろん新型、ソールの硬度は11から13へとさらに進化、
そのうえ、ペダリングの応力により、不必要な部分は削りこんで
徹底的に軽量化も果たしています。

その硬さはもはや、そうかより硬くなったのか、としか感じませんが、
違和感なくとてもスムーズな感じでパワーを掛けることが出来ますので、
良い足裏の感触を得ています。

もちろんBG FITテクノロジー設計です。
アーチサポートと前足ウエッジは組み込まれていますので、先代から履き替えても
ペダリングに違和感は感じません。



外側にはシンプル&ミニマルのままに、BOAダイヤルクロージャーをセット。

表皮の質感が高くなり、高級感が上がったので、
汚れ無いか、汚れは落ちやすいのか、心配になります(苦笑

ちなみに、初ライドでチェーンオイルで汚れた箇所は
パーツクリーナーのついた布ですぐに落とせました。


こまかいところですが、ベロクロ部はカーボン補強も入って、伸びを抑えてくてます。
細かいところまで徹底的にこだわっていることが伝わってきます。

これだけの効果はもちろん感じませんが、全体的にダンシングのような大きなパワーを掛けても、
ずれたり、たわんだりすることがなくしなやかなのに足をペダル軌道からから、まったくズラサず
ピシっと保ってくれる感じがします。

お酒みたいな表現ですが、
ペダリングフィールがよりクリアでキレがイイ味わいです。



BOAは新型になり、交換が容易なそうです。
巻取りも若干スムーズになり、また、巻取りと開放のノッチが僅かに大きくなり、
いままでの2ノッチで1ノッチな感じで、より素早く最適なフィットが得られます。

ダイヤルも大きくなり、ライディング中の微調整がより簡単になりますね。



ルックスはクールそのものですね。
シンプルでクリーンな感じは、バイクやウエアを問わず、コーディネート出来そうです。

個人的には、オールブラックを履きこなせる渋いサイクリストになってみたいものです。

アッパーはサーモボンド、熱接着により、縫い代を徹底的に廃していて、
軽量化、フィット性の向上、そして耐久性も上がっているそうです。



ヒールもシンプル、唯一のアッパーの縫い合わせはここに設けられています。
ヒールカップは先代よりも浅く小さく感じますが、ヒール上部のパッドが上部とサイドから
ピシっとフィットしホールドを高めてくれるので、最小の圧迫で最大の密着をさせくれてます。

徹底的な軽量化で、軽量シューズの先代と手で持って比べても明らかに軽いことが
誰でもわかるレベルに仕上がっています。



ベロもシンプル&ミニマル、ペラペラなのに抑えは十分、
硬い素材を配していないので、ゴワつくこともありません。

甲への当たりも気にならないです。



ちなみに内側の処理もとても綺麗です。

内張りにもパンチング加工で、軽量化!

見えないところまで拘りまくっています。

ちなみソールは相変わらず薄いのですが、タイムのクリートではネジは飛び出さずOK、
シマノ用にはショートボルトが同梱されているので、これまた心配無用です。



BGフットベッドもこのシューズ用に進化しています。
全体的に硬い素材になり、軽くなっています。

裏側の整形も凝ったものになり、ここでも何がしかの効果を狙っているのかもしれません。


1mm程度薄くもなっていて、ソールやペダルをより明確に感じ取れます。
痛いと感じることも、フィット性が落ちることもないので、良い感じ。

ウレタンと硬い素材との組み合わせで出来ていますが、そのカバーする場所も変り、
足裏全体のカッチリ感がやはり上がっています。

よりフットベッドがヘタリずらくなった、とも聞いていますが、
ライダーの意見に基づき徹底的に改良しているのでしょう。




これら全体の徹底的な作り込みによって、より足が軽くまわり、
よりしなやかで最適なフィットが得られて、
結果的により力強くペダリング出来るシューズです。

先代を2シーズン履いた方はぜひ買い換えてみて下さい、
必ずその進化に満足頂けるはずです。

保証してもいいくらいです、自分もこれを履いてモリモリ乗りたい!
とモチベーション上がりまくりです。
来年はヒルクライムにもまた参加しようなぁ、なんて思わせてもくれるシューズです。



ちなみに、付属のシューズケースもこだわりの逸品!


シューズのロゴと同様にかっこ良く”S-WORKS”ロゴが抜かれています。

どこまでも拘りぬいたニューSワークスシューズをぜひ手にとって確かめてみて下さい!




2012年9月7日金曜日

SIP LOCKING GRIPS

XTERRAで乗った2013モデルに装着されていたグリップ、SIPは
とても気に入って、これぞグリップの決定版か!と思うほどです。



険しい下りでも確実なグリップを可能にするSip。ライダーの手をバーにしっかりロックするグリップに、吸い付くようでいて耐久性にも優れた素材と、オートバイにヒントを得た独自のワッフル模様を採用して、快適性と最高のコントロール性を提供。
・吸い付くようでいて耐久性にも優れたアラミド素材を採用
・ハーフワッフルパターン採用により、優れたグリップ性と快適さを発揮
・ オートバイにヒントを得た独自のワッフル模様により、グリップ性と操作性を最大限に
・ 直径9.5㎜

という説明書きを読むとふむふむと納得します。
実際に握ってみると、それがよく分かります。



SPECIALIZEDのグリップはパッケージが秀逸で、このようにハンドルを模した
ストレートに展開することが出来て、実際に即した握り心地をディーラー店頭で
確認することが出来ます。


このシップの特徴は手のひらに当たる部分は、面で接触しても滑らず
痛くならないように優しく摩擦で安定するような加工と素材が用いられています。


そして指を巻き込む部分には、確実な引っかかりが得られるように
リブが設けられています。

これにより、痛みや圧迫というストレスを減らしながらも、確実なハンドルコントロールと、
シフトとブレーキレバー操作が可能になります。

実際に自分はXTERRAで、テクニカルなシングルトラック、
ペダリングパワーが問われる林道の上りなどを、スイムアップした
濡れた ”素手”で使ってみましたが、滑らずに、でも皮膚の擦れも豆出来ずに、
思い通りに走れましたよ。

適度な柔らかさにも腰があり、滑らず握りやすい、とても良い感じなので、
普段乗りのMTBにも早速採用です!


また、SPECIALIZEDの良心を感じるのが、これ!

グリップを自分で交換される方のために、ロックするボルトに合ったアーレンキーも
一緒にパッケージされています。

是非、店頭で握り心地を体感してみてくださいね~






2012年8月28日火曜日

2013 S-Works Stumpjumper Carbon 29 XTR

MTBのホイール径が26インチから29インチへと、主流がどんどん移り変わっています。
29インチ、タイヤの大径化がもたらすメリットは数多くあります。

しかし、デメリットも併せもつ、という理解をしているかと思います。

TKインプレッション

こちらに詳しく書いてありますが、このデメリットを打ち消せれば、残るのはメリットだけです。

それを達成しているのがこの、 S-Works Stumpjumper Carbon 29 XTR なのです。



このSワークスと同じ系譜であります、スタンプジャンパーHT29エキスパートを
1年間様々なレース、イベント、トレイルなどで乗り込みましたが、
同じ様な特性を示していて、エキスパートモデルはとても良い完成度です。


しかし、Sワークスはコストを度外視して、究極を目指しているので、
やはり性能に明確な差があります。

それは圧倒的な”軽さ”です。


©Yasuhiro Nakajima

2012 XTERRAジャパンチャンピオンシップにて、実戦で使用したインプレです。

”軽さ”といっても、様々な軽さがあります。

持って軽いという、バイク重量、
走って軽いという、加速の軽さ、
ハンドリングの軽さ、軽快なコントロール性、

これらがレースバイクに求められる”軽さ”になります。

重量は言わずもがな、持てば誰でもわかるほどの絶対的に軽いです。

29インチ=車輪が大きい=重い、という図式が成り立ちますが、
このSワークスはホイール周りが圧倒的に軽いのです。


カーボンリムを使った、ROVAL CONTROL SL 29、これが強烈な性能を発揮しています!



数多くの29ホイールをテストライドする機会に恵まれていますが、
この軽さを凌ぐモデルは存在しませんでした。

ホイールに合わせるタイヤも重量で、ファストトラックというノブを配しながらも

重さを抑えているタイヤ、この組み合わせがまるでロードバイクのような軽さを
もたらしてくれます。


もちろんフレーム、ブレインフェイドを装備したフロントフォーク、それに合わせるコンポも
軽量なアッセンブルになっています。


その結果、XTERRAで多くある押しや担ぎも、ひょいひょいと容易に行え、
写真のように、肩を出したレースウエアでも、サドルを肩に引っ掛けても、
軽いから痛くもないのです。

トランジッションは当然楽です。



©Yasuhiro Nakajima

バイクを押してから飛び乗り、バイク上でシューズをしっかりと合わせてから加速をしていく、
この状況でも、29インチならばホイール自体が高い直進安定を持っていますから、
ふらつくことなく安心してまっすぐ走れます。

そしてそこからの加速は軽く、速いです!
ホイール&タイヤの軽さがものすごく活きてくる瞬間です。



ホイールとタイヤの軽さもさることながら、合わせて強さ、剛性も大事な要素です。

加速ではペダリングで瞬間的に大きな力がかかりますので、ホイールはもとより
フレームも剛性が問われます。
ダウンチューブ、BBと共に、シートステーがしっかりとたわまないことが大事です。

29インチでは、ホイールが大きい分、シートステーが長くなりがちです。
ここが長いとたわみやすく、加速性が落ちてしまいます。

そのためチェーンステーは極めて短く、そして強く作られているのです。

それを含めてスタンプジャンパーは、フレームのディメンションが高い完成度で、
26インチと同じ走りが得られます。

加速が軽く行えたら、素早く巡航速度に乗って行けますので、そうなったら29インチの
メリットがとてつもなく活きてくるのです。


©Yasuhiro Nakajima

この時、トランジッションでのタイム短縮も狙っていますが、グローブをはめていませんでした。
転倒の時のダメージが大きくなるので、基本的にはグローブをするのですが、
余りにもこのSワークスが安定した走りであり、ハンドリングが軽く、
意のままに軽快にコントロール出来たために転倒はしないだろうと、
グローブをしなかったのです。

29インチだと、ホイールがまっすぐ進もうとしますので、コーナリングや左右への切り返しなど、
バイクコントロールが鈍くなります。
また、ホイールベースの長いバイクだとそのデメリットが増大しがちです。

このコントロール性も、ホイールの軽さと強さ、そして、29ならではの地面い吸い付くような
タイヤのグリップ、そしてそれを増大させるブレインフェイド搭載のサスペンションのおかげで
タイトなシングルトラックが、メインのコースでもクイクイ曲がり、しかも切れ込み過ぎることもなく、
狙ったラインをスパスパと通過させられました。



ハンドリングで大事なのは、加速性でもそうですが、フレームの強さです。
フロント周りの荷重をしっかりと受け応えるヘッドとダウンチューブが求められます。

ターマックのようなつくりをしていますが、まさしく走りもオフロードのターマックのような印象で、
高いスピードに瞬時に乗って、それをスキルに応じて瞬時にコントロールすることが出来ました。

29を扱いやすく乗りこなせる、これはSPECIALIZEDの29ラインナップ全てに共通しますが、
速く走らせられれば走らせられるほど、バイクのコントロールが上手ければ上手いほど、
その性能を発揮させ、メリットが引き出されて速くゴールできるのが、Sワークスなのです。


©Yasuhiro Nakajima


軽さと強さを併せ持っても、路面の振動をいなして、身体へのストレスを増やさないというのは
ライダーのパフォーマンスを最大化するSPECIALIZEDの大事なポイントですので、
Sワークスでも高いレベルでバランスさせています。

今年はIRONMANチャレンジに比重をとっていてMTBはあまり乗れていないので、
バイクパートでタイムを大幅に短縮できたのは、このSワークスの性能が大きくものを
言ったのかなと正直思います。

MTBにあまり乗れていないうえに、タイトなでテクニカルなコースに臨む上で、
普段常用しているLサイズからMサイズにサイズダウンして乗ったことも、効果的でした。

29インチの性能を享受するには、徹底的にコンパクト、素早さ、重さ、にこだわるべきだと
改めて確認しました。

個人的なアドバイスとしては、29でレースやトレイルのためにコントロール性を
優先させるならば、乗れる小さいサイズを選ぶこと。
ツーリングやファンライドで安定感を求めるならば大きめもありかな、ということ。

是非参考にしてみてください。






2012年8月19日日曜日

S-WORKS TRIVENT

昨年のUSA展示会でこれは!と目に留まりとても気になっていたSPECIALIZEDでの最高峰トライアスロンシューズ、”Sワークス トライヴェント”が日本でも2012年7月デビューしています。


 メンズトライアスロンシューズ  > S-WORKS TRIVENT 


従来のトライヴェント エキスパートを履いてきたうえでの、インプレになります。 

このエキスパート自体も、人気のBGロードシューズと同様のボデイジオメトリー技術が使われていますので、しっかりと足裏アライメントに沿ったサポートを果たしてくれて、ペダリングには何ら違和感なく、しっかりと高いパワーを長時間伝達してくれます。
自分ではIRONMAN70.3ではアベレージ40km/hの走りから、IRONMANでの5時間超のライドでも、
脚の負担とトラブルなく走りきっている信頼のおけるシューズです。

ただし、通常のロードバイクライドではSワークスロードを履いているので、そのフィット感には
及ばないことは感じていました。
それでも、トライアスロン特有のニーズ、履き脱ぎのしやすさ、濡れた足で履くことの通気性の良さ、などを確保しなければならないのですから、それも致し方無いとも思っていました。

このSワークス トライヴェントを履くまでは。



パッケージから覗くそのアッパーは光沢があり赤く輝いていて、とてもレーシーです。
履くだけでテンションが上ります。

実際に足を入れてみると、スリッパのようにすっと簡単に入り、その後、BOAダイアルでしめていくと、踵と連動して、甲の上部が一緒に均一にしまり、まるでテーピングでヒールロックをしたかのような安定感があります。

ペダリングしてみると、その安定感がはっきりと動きの安定につながり、よほどラフなペダリングでない限り、極めてカッチリとした感触が得られます。
それには、ソールがSワークスロード2012と同一であることも貢献しています。
シューズにはベロがないので、その部分のホールド性はないように感じますが、トライアスロンだからスイムで足がふやけることを恐れずにジャストサイズを選び、ベロクロストラップで事前にしっかりと足幅にあわせておけば、トライアスロンレースで起こるようなダンシングではまず問題のない十分なフィットが得られます
(ロードレースのようなゴールスプリントをするとブレを感じるかもしれませんが、トライアスロンでは起こりえませんからね)。

裸足で履くことが前提ですから、肌に対しても考慮されていて、足首周り、踵、甲に接する部分にはソフトパッドを配して、表面保護と当たりを防ぎながらも、密着性を高めることでホールド性も高めています。

甲から前足部にかけてはメッシュで作られていて、暑さ対策とともに、水の抜けと乾きを最大限に引き出しています。

ペダリングで多少不安定感がある場合は、足裏にあったフットベッドをあわせて使えば、パワフルなペダリングでもブレずにしっかりとパワーが伝達できることでしょう。


そして、このペダリングのしやすさに加えて、最大の特徴となるのはそのトランジッションでの、履き脱ぎのしやすさです。



BOAとシューレースでのフィットはこのようにとても大きな開口部を実現して、トランジッションで一発で足入れを出来るようになっています!



ペダルにシューズをはめてゴムで位置決めしておき、乗り出しの一歩目からスッと足を入れて漕ぎ出せます。

シューズの上に足を載せ漕ぎ出し、不安定なまま足を入れなおして、ベロクロやバックルを締めるというのは、よほどバイクのコントロールに自信がなければ、転倒の危険性が高いので誰にでもオススメできるものではありません。

しかし、このシューズで事前に練習をしておけば、多くの方が安全に、そのうえ素早くトランジッションを出来るようになれるはずです。




自分も実際に何回も練習で履いていますが、痛みもなく、ペダリングフィールもとてもいいですし、ソフトでとても良い履き心地です。

KONAで実戦投入が楽しみです。



バイクでのタイムアップを狙う、バイクのペダリングにこだわりのあるアスリートならば選んでもらっても絶対に損はさせませんよ!

2012年8月、今ならば下記よりモニターキャンペーンもありますんので、是非エントリーしてみて下さい。


http://specialized.blueoceans.jp/try-trivent.html

2012年7月20日金曜日

2013 ROUBAIX SL4



 SL3からSL4へとフルモデルチェンジをしたルーベを、S-WorksとルーベSL4エキスパート
2機種乗ってみたインプレです。


先代のSL3SL2比でよりBB剛性がアップして、漕ぎ出しや高いペダリングパワーでの加速性がアップしてきているのはターマックと同じ流れです。
ルーベはその剛性と振動や衝撃など路面のからのストレスを取り除く性能とのバランスを、その時の最新の技術を用いて追求してきました。

今回のSL4への進化も、全く同じ流れでして、最新技術はシクロワイヤードや、各ショップの解説を参照してもらうとして、自分が乗った感触からのインプレを伝えたいと思います。

参照 シクロワイヤード「TARMACのような切れ味とバランス向上を目指したROUBAIX SL4


まずはSL3を乗った時には、全速度域での微小な振動から大きな衝撃までフレーム&フォークががきっちりと緩衝してくれる働きを感じました。そして、それでも取りきれない部分をサドル、タイヤで残らず取り去るような意図ではないかと思いました。

今回のSL4では、細かく小さな衝撃はタイヤとサドルに任せて、大きな衝撃は専用ートピラーの「コブルゴブラー」 S-Worksに装備)と協調して取り去るようにして、フレーム&フォークはより走り、加速性、反応性に生きる剛性の確保を優先させたような感じです。

走りは実際に、一漕ぎ目から、ペダルに加えた力に対してBBがしっかりと据え付けられチェーンステーがしっかりと踏ん張り、リアタイヤが路面を捉えて力を推進力を路面に伝え、押し出されるかのように進んでいきます。
SL3では、きれいにペダリングパワーを掛けてあげればその力なりに進んで行きましたが、反面ラフな力や高いトルクでの入力に対しては、一瞬力をフレームに溜めるような、そんな間合いも感じました。
SL4ではその間がなくなり、高いパワーでの加速や、ヒルクライムでの高いトルクでもたわみを感じることなく漕ぎ続けることが出来ます。
S-Worksでは体感的には、愛用している2012 VENGE PRO 以上、2012 TARMAC PROと同等かと思います。

しかし、路面から弾かれてしまうような硬さではありません。ともすれば、ペダリングパワーに対して、
高すぎる剛性のフレームでは反発を強く感じてしまったり、路面から跳ねるような感触を持つと思いますが、SL4ではそのバランスがレーシーになったとはいえ、ターマックSL4よりも路面を捉えて力を伝える性能が高く、ペダリングや荷重のスキルを問わず誰でもスムーズに加速していけるでしょう。


ダンシングにおいてはSL4は圧倒的に、向上しています。ヘッドとフロントフォークの強化が強烈な効果を発揮していて、ブレとねじれを微塵も感じません。そのため、バイクの左右の切り返しも軽く、リズミカルに加速と上りをこなして行けます。実際に1kmの坂をダンシングし続けてみましたが、
勾配の変化によるフロントにかかる荷重の増加にも、ビクともしませんでした。
ヘッド&フォークの下ワン外径の剛性の最適化はもとより、まるでシートステーのような形状のぶっといフォークが強烈な効果を発揮しているのだと思います。


このフレームとフォークの剛性の最適化は同時に、高速での直進安定性と、素早い操縦性を発揮してくれます。
フロントハブの左右、リアハブの左右の4点が、よじれることなくしっかりとその位置関係を保つことで、ホイールがねじれなくなり、ホイールの性能を引き出すとともに、安定と操縦性を高めているのでしょう。そしてその特筆すべき恩恵は、とても高いコーナリング性能です。
MTBでは、フロントフォークとリアアクスル、そして各ハブを太く強化すると、サスペンション性能があがるとともに、コーナリング性能もあがります。それと同じ効果をこのSL4でも感じました。
ビシッとホイールをバンク角に保ってくれることで、レールに乗っているような、MTB的にはバンクで曲がっているような、安定したコーナリングが可能です。
そして、立ち上がりで、外足荷重から抜重して伸び上がると、それだけで加速していくのです。スラローム用に細かく切り返しをしてみると、それは誰しも体感できると思います。どうして、そうなるのかは分かりません。S-Worksでもエキスパートでも実感できますので、どうやらホイール性能ではないようですが。

巡航に対しては従来の高い速度域でも、軽快に維持できる感じがありますし、その時の振動と衝撃はゼルツとコブルゴブラーが効果をいかんなく発揮してくれて、スムーズ極まりないです。通常のシートピラーのエキスパートでは、身体に伝わる衝撃は大きくなりますので、コブルゴブラーの貢献は高いです。

また、S-Worksとエキスパートではホイールの違いも大きく、S-Worksの最新設計のホイールは試乗した全ての人が絶賛するほどでしたので、その違いもあるかもしれません。
エキスパートでしたら、手持ちに剛性が高めで軽いホイール、たとえばアルミのロープロファイルのリムなどを合わせると、そのホイール性能を発揮して、相乗効果がかなり期待できますので、ぜひ装着してテストライドされることをオススメします。
重量剛性比からくる走りの軽さはS-Worksに優るものはありませんが、このエキスパートも走りの質感は同等だと感じました。



このルーベSL4は、快適性能という、ともするとお気楽バイクというイメージも持たれやすいエンデュランスロードというカテゴリーを、完全に再定義ししていくバイクです。SL3は高級車での高速道路のクルージング走行、SL4 はその高級車の足回りを固めて追い越し車線を快走する、共に上質ですがSL4はさらに高い速度対応のイメージなのです。そして、バイクの操縦安定性がとても高いので、結果的に乗りこなしが上手くなるバイクとも言えます。

高速巡航がストレスなく出来て、操縦安定性が高いということは、平均速度が上がる可能性があります。同じ時間乗るならば、その到達距離も伸びます。峠を超えて一日中乗り続ける、そんな週末を過ごすライダーにはピッタリのバイクです。