2014年8月19日火曜日

NEW S-WORKS TARMAC


新型ターマックの良さは、いつでも、どこでも、オールラウンドに走りやすい!
誰もが乗りこなせる高性能、といったところです。

練習でまとまった距離、雨のヒルクライムレースを走ってそう感じました。

そう、一言で言えば、「乗りやすい!」これに尽きます。




そう感じるのは、軽い挙動と、反応の良さからきていると思います。

加速と登板の軽さ、ダンシングの振りやすさと進みの良さ、車重が軽いことから感じるのは明白ですが、剛性、フレームの硬さからくる反発、それによる印象もあるかもしれません。

反応が早いのに分かり易いので、速度が遅く感じるほどに余裕が持て、ペダリング、バイクコントロールがとてもやりやすいのです。 



新しいターマックでは、サイズごとに最適な乗り心地、サイズが違っても同じ性能が得られるように、フレームの設計を行っています。


いうなれば、スケールダウンではなく、フレームサイズごと新型を作った、ということになります。

外観はSL4の筋骨隆々な感じから、いたってシンプルになっていまして、乗り味も反応を良くするように、硬さを削ぎ落した部分もあるように思います。

乗っていると、力を跳ね返されるという感じはなく、どちらかといえば、ペダルがスカッと空振りしているかのようなのに、バイクはスーーーーっと滑らかにスピードが上がっていきます。



とはいえマイヨジョーヌ、ツール・ド・フランスでの優勝を引き合いに出すまでもなく、世界最高のレースバイクでありますから、剛性が低いということは絶対にあるはずもなく、ペダルに立ち上がり大きなトルクを掛けた瞬間に、ターマックは股下からバイクが飛び出すがごとくに、たわみも淀みもなく一気に車速を上げていきます!

ヒルクライムレースでもとてもよいレスポンスで、高いトルクを掛けても、ピッチを意識しても、そのどちらでも進みがよく、勾配変化に応じて、もたつくということもありません。
後半、キツイところでガチャ踏みになっても、脚には嫌な反発もなく、進む方向にのみ反応してくれました。

ロードレースでの後半勝負にも、正確な走りが出来て最適でしょう。



路面からは振動をコツコツ伝えてくるものの、僅かなフィードバックも分かり易いので、状況に応じた操作、コントロールもとてもし易いです。

下りでの直線では路面から跳ねることもなく上手く収束してくれるのですが、高速コーナーで気持ちねじり気味に荷重をかけてもフォークやリアがよじれること無く路面を捉え続けてくれる高い安定性も、不安感を湧き上がらせず、安心してスピードに乗っていけます。レース中の下りコーナーでも前走者がライン上にいてのイン、アウトにラインを変えることも挙動が乱れること無く、ウエットでも安心して走れました。
もちろん、ブレーキもキャリパー性能が良くなったかのように、カッチリと効きますから、スピードコントロールした上で、思いのままに走れることでしょう。


初代ターマックは細身のカーボンバイクとして剛性と乗り心地の両立を目指し、
SL2でそこから剛性を上げてつつ軽量化という重量剛性比を上げていき、
SL3でもより軽く剛性をあげつつもバランスを向上させていき、
SL4では鬼の軽量化と鬼の剛性アップを果たしました。

新しいターマックでは、初代に戻ったかのような細身に立ち返り、軽量と剛性はそのままに、乗り味が、乗り心地を重視し、乗り手を選ばない、オールラウンドに乗りこなせる高性能なレーシングバイクとなりました。

見た目の変化よりも、中身の変化、それは誰もが試乗をすればすぐに分かる程です。


願わくば、レース中にもう一枚ギアをかけられれば、自分のイメージの走行感、スピードで性能を試せたのですが、今の自分の能力ではそこまで上げられず、しかしながらパワー域、速度域を選ず進むバイクだとも思いました。

どのサイズに乗っても、どの技量で乗っても、どのパワー域で乗っても、ワンランク上の走りを実現できるオールラウンドなレースバイクは、ガンガンレースに出て上りでアタック、下りで逃げる、ゴールスプリントを掛ける人も当然お薦めながら、金額さえ許せば一台目のバイクとして乗ってもらっても上達を導くような、そんなバイクでもありました。