2015年9月17日木曜日

S-WORKS 6 Road Shoe


"S-WORKS 6" Newロードシューズを1,000km超履きこんでみてのインプレッションです。
詳しいことは、こちらWEBカタログを参照頂いて、自分の足における感想をば。




まず靴下履かずに素足で履いてみました。
トライスロンをやっていることもあり、素足での感触を確かめることも恒例になりつつあり、フィット感が確かめやすいです。
もちろん、ロードでの使用では薄手のソックスを着用します。


まず履いた感触は、踵骨のビシっとした安定感と中足部へのピシっとフィット感、それとは真逆に前足部の骨が緩んでふんわりとしたゆとり空間が、異質なくらい極めて特徴的です!!

人気持続中の歴代S-WORKSシューズはどんどんピッタリフィットの方向に進化してきましたが、全体が包まれるような均一なフィット感が特徴でしたので、その面では変化を大きく感じます。


各部を見ていきますと、前足部の高さ方向のゆとりアップにより、指周りの快適性が大幅向上しています。
自分はランニングを始めてから若干足型が変わってきた感じで、特に小指外側の骨が高くなってきていて、そこが長時間ロードシューズを履いているとアタリを感じて時にはしびれに繋がることもありましたが、”6”ではその感じがなくなりました。




ラウンドしたまるっこいつま先部も各指先のアタリもなく、親指内側の骨へのアタリも余裕がありあす。
前足部のアジャスターストラップを調整すれば、適度なサイズ感に調整できます。
ちなみに自分はこのベロクロストラップは毎度毎度脱着しないで、自分の足に対する初期設定だと思っていまして、サイズ感を調整したらここはいじらずに、BOAを緩めて脱ぎ履きをしています。 
とはいえ、この前足部のいい意味でのゆるさはペダリングでの足のアソビに繋がるのではないか?と疑問が残る程のリラックスさ、です。


しかし、ペダリングにおいては従来のボディジオメトリーのソールとともに、踵ビシッ!中足部ピシッ!な極めて高いフィット、ホールド性で足のズレやロス感は皆無!!!

この膝がペダルを押す力を、すねの骨に伝えて、それがそのまま踵のずれや足の変形、たわみなく、足裏全体でソール&ペダルを押して伝わる感触は特筆モノですね!!

中足部のアッパーを抑える素材とBOAのコンビネーションと、ヒールの安定性はテーピングでガッチリ固めたかのような印象を与えてきて、実際、レースなどハイパワーなときには踵にしていたテーピングと同等以上の効果を感じます。



踵のヒールカップの強化も効果的なのでしょうが、履き口周りのアキレス腱~くるぶし下にかけてのパッドもかなり効果を発揮して、抜群のフィット感です。
自分は外側のくるぶしが低いのでアタリを気にしていましたが、かなり激坂ヒルクライムでも、長時間乗っても大丈夫でした!



タンもしっかりして甲からカッチリと中足部が包み込まれるのもペダリングに好印象ですね。
ただし、しっかりBOAをしめていても横方向にズレてしまいますが、不快な感じはしないので、自分の甲にあった向きになったと思えば問題無いでしょう。



ただしそのフィット性の高さゆえのいくつか気になるところがありまして、ご注意頂ければ。
履き口がタイトなのでBOAをしっかりと全開に緩めて、脱ぎ履きしてみてください。
またフィットが気持ちいいからと、BOAを締め込みすぎると、たしかにホールドが高まり、パワーが高い時は必要ではありますが、甲が高い人はBOAのベースに若干のアタリが出るかもしれませんから、締め込み過ぎ注意です。
あと、ここ、大事なのですが、踵~中足部のホールドが高まりましたので、クリートの向きの調整が重要になります。
従来だと踵~中足のたわみで適度な逃げがあり、クリートの向き=足の向き、はある程度ファジーでも良かったのですが、”6”はそのメリットである高いホールドもあり向きがあってない場合、ペダリング中に足が自然な向きになりたいと動いているので、くるぶし下まわりと前足部の骨周りにストレスが集中する可能性があります。
実際、自分はつま先部からフロートするLOOKペダルを使っていますが、小指外側とくるぶし下内側にストレスを感じましたが、わずかにクリートの向きを調整したら、すっきり解消で全く問題なくなりました!
フィッティングが重要であることを再認識しましたし、合わせに自身の持てない人はフロートが中心で大きく取れる、シマノかスピードプレイを用いるのが無難かと思います。


他、細かなことですが、ヒールラグの改良で歩きやすくなっていて、また一体化しているので、耐久性もアップしていますので、これは地味に嬉しいところですね~
さらにエアロ効果も高まっているそうです、体感できませんが(苦笑

あとは仕上げの美しさ!
なので、これで砂利道歩くことは、どうか避けてくださいませ。。。



ゆとりとフィット、硬さとしなやかさの部分毎のバランスがとれて高いホールド性と快適性を実現!


安定感の向上が体感出来て、結果的にペダリングフィールが気持よく!!

スプリントなどでのハイパワーなロードレースはもちろん、軽量なのでヒルクライム、快適性でセンチュリーライドなどロングもこなせますので、あらゆる人に勧められます。

鮮やかな朱赤、安定の白、シックな黒とカラーバリエーション、ハーフとワイドのサイズ展開と、必ず足に合うものがあると思いますので、まずは足を入れてみてくださいね!!





2015年9月16日水曜日

S-WROKS VENGE ViAS

2016 S-WROKS VENGE ViAS を2,000km乗ったインプレッションになります!


正直に書きますと、最初に受け取り軽く2,30kmを乗った時には、うむ、表現の難しいバイクだな、と思いました。
エアロ効果は目に見えないし、スピードを出さないと体感できないこともあり、また決してこのViASは軽量で、ゼロ発進~低速の速いバイクではありませんから、ちょろっと乗っただけではなんともいえなかったのが実際です。

しかし!
乗り始めて数日、本格的なロケーションで思うがままにバイクを走らせると、非常に強い人車一体の爽快感を満喫!!

こう操りたい、次はああ走りたい、という衝動に駆られる、”エアロ”という枕詞を付けなくても、ロードバイクの極道ではないかと思わせてくれます。

もちろん空力性能も高く、下りと高速域でにおいて、頭の位置の僅かな違いにもリニアにスピードの高まりへと反応する様は、もはや抵抗は自分自身のみ体の前面投影面積のみだと認めざるを得ないもの。



そして下りのステアリングの正確性が、操る悦び、ものすごい楽しさを感じさせてくれます!
エアロ効果もさることながら、カッチリとしたフロント周りはコーナーで、タイヤのヨレとバーテープの柔らかさが明確に感じられる以外、リム、スポーク、ハブ、フォーク、ヘッド、ステム、ハンドルと一定と感じ、あとは路面からのインフォが分かりやすく、グリップの限界と挙動が扱いやすくなり、コーナーリングものすごく楽しめる!!



そして速度の上昇がとてもスムーズ、25kmから40kmへと加速する早さと、40kmでの巡航の軽さは特筆モノです!!
低速では確かに重さと路面からの鈍い衝撃を感じるものの、それは15km/hまでの話しであり、それ以上の速度域では、極めてスムーズ。これはホイール ROVAL CLX64の性能が寄与している割合が高いです。
ViASの開発ストーリーは、高性能ホイールCLX64の完成によって、このホイールと一体化した高性能バイクを目指すことから始まったそうです。



CLX64を乗り慣れたSHIVに装着したところ、こちらも別物バイクくらいに走りが良くなりました。
40km維持のイージーさは、テスト結果にもある通りディスクホイール同等以上であることが実感できます。
また、横風に振られる度合いも少なくなり、鋭い振られは皆無であり、横風をマイルドに感じるようになり、風の良い日も安心して乗れます。

ハブとフォークの接合面積の拡大も剛性、一体感アップに貢献しています。
ちなみにスポークは扁平エアロスポーク、ニップルは露出していますが、それはエアロ効果には影響ないとのことです。

自社の空洞実験室で数千時間という膨大な時間の研究を蓄積している結果と、レンタルで実験している見識の違いが、エアロな機材と、エアロなイメージの機材と、明暗を分けていくことでしょうね。



ペダリングパワーに対する高い剛性、路面を捉えるトラクション、そしてViASの真骨頂であるエアドラッグ、全てに卓越した性能をもっているからこそ、全てを操るべく乗りたくなってしまうバイクなのです!!

ガッチリ、しっかりとしたコントロール性であり、路面から伝わるものをフレームで吸収している感じはしないのですが、極太のリムとそこに合わせるタイヤ、さらにその低圧にセットできるメリットから、乗り心地は200km以上も余裕でこなせる許容範囲です。
路面の割れや続くような場合は、そりゃルーベが最高ですが、この走りとのバランスとしては悪くありません。


細部を見ていくと、特徴的なのはブレーキとハンドル周りですね。




フォークと一体となったブレーキはただの制動部品としてだけでなく、空力向上のためのエアロフィンの役割も兼務しています!
UCIルールでは、ダウンチューブは3:1の比率以内に太さを収める必要があります。厳密に決められているということは、それだけ効果が高いと言えるでしょう。
それをこの流麗な一体型ブレーキを用いることで、フォーク&フレームが一体化し、空気の流れを他にはないレベルで整えて、抵抗を減らしています。


肝心の制動部品としての性能ももちろん問題なし!
一般的なキャリパーブレーキとは制動力の立ち上がりとタッチは異なるものの、効き自体はコントローラブルです。
この辺は、MTBで、Uブレーキ、カンチブレーキ、Vブレーキ、ディスクブレーキと経験豊富なこともあり、対応が直ぐ様出来ましたが、ロードキャリパーしか触ったことない場合は、慣れるまでは違和感を感じてしまうかもしれません。

この大きなレバーでギュッと効かせるので、絶対的なストッピングパワーは十分ですね。
ただし、ワイヤーのたわみ、そしてインナールーティングなので、セッティング命とも言えます。信頼おけるメカニックに組んでもらうことは必須だとは言えます。


リアも同様で、ここに位置させることで、ペダリングの乱流を低下させて、前面投影面積以外に後ろに引っ張られるようなドラッグを減らしてくれています。

ステムとハンドル周りも一体設計です。
ここは前面投影面積の低減に、効果を発揮しています。
ステムはほぼ水平、16度が一番効果が高いので、なるべく低くして、かわりにハンドルをアップライズにしてポジションを出すのが特徴的です。


ハンドルは上面フラットで手を置きやすく、攻撃的なルックスと違ってリラックスして乗りやすいです。
リーチは僅かに長め、ドロップも低い姿勢を保つために深めになっています。
 ポジション合わせるために、別体になっていますが、一体成型のように剛性高いです。


エアロは机上のものではなく、実際のライドで効果を得る、最大化されるようになっています。
ダブルボトルでも、悪影響しないことはとても大切なことです。

ちなみにカーボンボトルケージ、それに付随する携帯工具システム、SWATもパッケージに含まれていて、ライドに必要なもの、オール・インになっていもいます。


もちろんUCI認可をとっていますので、ロードレースでの使用も全く問題ありません!

このチェーンステーの造形などフレーム各所は、とてもそそる仕上がりになっています。


このブレーキの一体化と逃げとの造形もたまりません!!


ちなみに、DI2の充電はこのエアロカバーに内挿されていますので、カバーを外して行います。
特別感を醸し出す、作業ですね~♪


ステムはサイジングにより導き出された長さに交換可能です!

エアロロード、薄くつくってエアロ効果もあり軽量です、って感じではなく、エアロ効果はもはや高くて当然であり、ロードバイクとしての骨太な乗り味と性能を高めたViAS、是非実際に”ガッツリ”試乗して実感してみてください!!