山の頂から、稜線から下界を広く臨む、都会の喧騒、
日常の雑多から逃れて山で一日を過ごす。
そんな日を楽しめるマウンテンバイク。
山を走りたい!無理なく、安全に、楽しく、そんな方にお勧めなのが
スタンプジャンパーFSR、その最上位機種がこのSワークス!
S-Works Stumpjumper FSR Carbon 29
山には舗装路と違い、ものすごく変化に富んだ様々なセクションが待ち受けています。
見晴らしがよく適度にスピードの乗る直線、
木々を縫うように走るなめらかなコーナー、穏やかなリズムで繰り返されるアップダウン、
などの走りやすい箇所はもとより、ぎりぎり乗れるかどうかの激坂、
切通しの狭い空間、斜面にきられた鋭角のスイッチバック、
細かく張った木の根、大きな岩々、腰ほどの段差、ドロップオフ、
そしてアプローチの舗装路の長い長い上り、という難所もあり、
バイクに乗れずに押して歩いたり担ぎあげたりもします。
しかし、そこを乗ってクリアする悦びは格別なものです。
思いのままに操るためのコントロール性、そして安全に走り切る重要性、
無理をさせない余裕を感じさせる乗り心地、これらを与えてくれる極上のバイクが
スタンプジャンパーFSRなのです。
各部を見ていくと、まずフレームはレースクオリティのカーボン、
29er専用ジオメトリーを持つFACT 11mです。
175cmの自分はMサイズで乗りましたが、コントロール性も考えて、
またトレイルでの旋回、最小半径なども考えるとこれがドンピシャです。
ステムは純正の75mmから105mmに換えても乗りましたが、
操作性は変わらずにシャープでいい感じ。
ヘッドやフォーク各などフレームのジオメトリの良いからでしょう。
29だから曲りづらいということはありません。
ただし、26のように適当にクルクル曲がるかというとそうでもなく、
しっかりと腰から大腿で挟んだバイクを倒しこみ、身体の向きを進行方向に向けるという
しっかり確実な操作をした方が、シャープで気持ちのよいコーナリングが出来ます。
全体の重量バランスもいい感じなのでしょう。
29でも腰高感はないですし、前後の荷重にも均等な感じがあります。
ホイールも同様にカーボンホイールで、これがレースライクで超軽量!
走りの良さを際立たせてくれています。
リム幅やスポークテンションをトレイルに向くチューニングになっていて、
加速重視のレース系のソリッドな乗り心地よりも、
コントロールと路面追従性を高めています。
この Roval Control Trail SL 29 142+は、12㎜スルーアクスルになっていて
ハブ軸とエンドの合わせ剛性がものすごく高くて、不安感や微小なズレ感などの
雑味はまるでなくピシっとしているのに乗り心地が良いと、とてもいいバランスなんです。
このピシっとしているのに乗り心地が良い、はバイク全体にも言えることで
サスペンションも前後同じ味わいです。
リアサスペンションはカスタムメイドのFOXでカシマコートで究極の滑らかさを実現しています。
摩擦、ってなに?と思うほどにスッ入り戻る感じには誰もが唸ることでしょう。
そのサスペンションを活かすためには当然完璧なエアセッティングが必須ですが、
”オートサグ”搭載のSPECIALIZEDのリアサスバイクならば簡単に、その高性能を引き出せます。
往々にして固めのセッテイングをしがちな方が多いですが、エアは適正にして、
乗る方の好みと状況、スピードに応じて、入りと戻りのダンピングのセッティングを
してあげたほうが良いでしょう。
Sワークスならば、トレイルチューンのブレインフェードが装備されていますので、
ペダリングパワーに応じて、あるいは登り返しのダンシングの頻度などで
ペダリングロスのないブレインのセッティングをしてあげればバッチリです。
ちなみに自分は、一番強く効かせて上り重視で走りますが(リバウンドは速め)、
激しく繰り返される木の根の通過衝撃も、ボトムアウト寸前の大きな衝撃にも
ブレインにより渋さやコツコツ感など抑制されていることをまるで感じずに
不快知らずでスムーズに走ることが出来ます。
フロントサスペンションもカシマコート加工がされていて、ストロークしている抵抗を
まるで感じない極上仕様のフォックス・タラスCTDファクトリー29です。
剛性も当然良い感じでスルーアクスルと相まって、ピシっとしていてススッとストロークする感は
本当に最高です。
しっかりしているからこそ、しなやかに動ける、人もサスペンションも同じですね。
サスペンション長も可変式で、130/105㎜を左の肩のレバーのワンクリックで調節可能です。
上りでは短く、下りでは長くして使いますが、右肩のコンプダイアルでさらにそれぞれの、
沈み込み特性も柔らかくも粘るようにするのも自由自在で、コース、状況、好みに合わせて
いつでもどこでも簡単にセッティングが出来てしまいます。
ほんと文句のつけようもありません。
ン
優れたフレーム、ホイールサスペンションがあっても地形や状況に合わせた
ライダーのボディアクションがあってこそ活きてきます。
大きく素早いアクションのために、サドルは腰の位置を移動させやすく、
後方もサイドも引っ掛かりずらく角ののない形状になっています。
パッディングもしっかりとあり、乗り心地もイイ感じ、バイクパンツのパッドがなくても
耐えられるくらいの感じです。
そのためこのサドル”ヘンジ”はハーフパンツを履いて乗るような方には
とてもオススメ出来ますね。
そしてコマンドポスト!
サドルの高さをレバーひとつで通常のペダリング重視の高さから、
一番低くまで下げるDHポジション、そしてアップダウン、ペダリング、
コントロールと中庸でトレイルで使いやすいハーフポジションまで
簡単に走りながら調整することが出来ます。
激しい降りでは腰が引っかからないようにDHポジションにして大きく重心移動しクリア、一番低くまで下げるDHポジション、そしてアップダウン、ペダリング、
コントロールと中庸でトレイルで使いやすいハーフポジションまで
簡単に走りながら調整することが出来ます。
コーナリングでも腰を沈めて低重心にできるのでグリップが増してギュンと曲れます。
腰、股関節、ヒザの動きに余裕ができるので速く大きく動けるとももに、
荒れた路面でもブレーキを掛けて足をつきやすいなど、その余裕と安心感から、
安全走行にもオススメのアイテムです。
300g程度重量が増しますが、得られる性能からはどなたにもオススメできる装備です。
駆動系は、レースバイクと同様の軽く強くのカーボンクランクとBBで申し分ありません。
というか、最高です。
ギア比はフロントダブル36/22、リアは11-36になっていて、あらゆる状況を
走りきれるように幅の広い設定になっています。
バイクでゆっくりトレイルを、となると軽いギア比は必須ですからこれはとても嬉しいですね。
テンショナーやガードもトラブルを減らす安心装備で、トレイルバイクには必須でしょうか。
チェーンの暴れの他にも、秋冬に多い枯れて落ちた枝などの巻き込みによりチェーンや
リアメカ、エンドを破損するリスクも減らしてくれることでしょう。
トレイルを、バイクコントロールを楽しむために
基本設計から細部まで徹底的に拘りぬいていますね。
高い剛性からくる安定感、しなやかなサスペンションの躍動感、
地面に合わせて、積極的に身体を動かす悦びがあるバイクです。
求めてしかるべきですが、このSワークスでしたら、その軽さと扱いやすさから、
エンデューロレースで使っても速く走らせられるポテンシャルもあるといえるでしょう。
グラフィックも凝っていて、渋派手な外観もとてもイイ感じ。
山を楽しく安全に、体を動かしバイクをコントロールする醍醐味、
そんな魅力を体験するにはこのスタンプジャンパーFSRは最高の選択肢ですね!