2015年9月16日水曜日

S-WROKS VENGE ViAS

2016 S-WROKS VENGE ViAS を2,000km乗ったインプレッションになります!


正直に書きますと、最初に受け取り軽く2,30kmを乗った時には、うむ、表現の難しいバイクだな、と思いました。
エアロ効果は目に見えないし、スピードを出さないと体感できないこともあり、また決してこのViASは軽量で、ゼロ発進~低速の速いバイクではありませんから、ちょろっと乗っただけではなんともいえなかったのが実際です。

しかし!
乗り始めて数日、本格的なロケーションで思うがままにバイクを走らせると、非常に強い人車一体の爽快感を満喫!!

こう操りたい、次はああ走りたい、という衝動に駆られる、”エアロ”という枕詞を付けなくても、ロードバイクの極道ではないかと思わせてくれます。

もちろん空力性能も高く、下りと高速域でにおいて、頭の位置の僅かな違いにもリニアにスピードの高まりへと反応する様は、もはや抵抗は自分自身のみ体の前面投影面積のみだと認めざるを得ないもの。



そして下りのステアリングの正確性が、操る悦び、ものすごい楽しさを感じさせてくれます!
エアロ効果もさることながら、カッチリとしたフロント周りはコーナーで、タイヤのヨレとバーテープの柔らかさが明確に感じられる以外、リム、スポーク、ハブ、フォーク、ヘッド、ステム、ハンドルと一定と感じ、あとは路面からのインフォが分かりやすく、グリップの限界と挙動が扱いやすくなり、コーナーリングものすごく楽しめる!!



そして速度の上昇がとてもスムーズ、25kmから40kmへと加速する早さと、40kmでの巡航の軽さは特筆モノです!!
低速では確かに重さと路面からの鈍い衝撃を感じるものの、それは15km/hまでの話しであり、それ以上の速度域では、極めてスムーズ。これはホイール ROVAL CLX64の性能が寄与している割合が高いです。
ViASの開発ストーリーは、高性能ホイールCLX64の完成によって、このホイールと一体化した高性能バイクを目指すことから始まったそうです。



CLX64を乗り慣れたSHIVに装着したところ、こちらも別物バイクくらいに走りが良くなりました。
40km維持のイージーさは、テスト結果にもある通りディスクホイール同等以上であることが実感できます。
また、横風に振られる度合いも少なくなり、鋭い振られは皆無であり、横風をマイルドに感じるようになり、風の良い日も安心して乗れます。

ハブとフォークの接合面積の拡大も剛性、一体感アップに貢献しています。
ちなみにスポークは扁平エアロスポーク、ニップルは露出していますが、それはエアロ効果には影響ないとのことです。

自社の空洞実験室で数千時間という膨大な時間の研究を蓄積している結果と、レンタルで実験している見識の違いが、エアロな機材と、エアロなイメージの機材と、明暗を分けていくことでしょうね。



ペダリングパワーに対する高い剛性、路面を捉えるトラクション、そしてViASの真骨頂であるエアドラッグ、全てに卓越した性能をもっているからこそ、全てを操るべく乗りたくなってしまうバイクなのです!!

ガッチリ、しっかりとしたコントロール性であり、路面から伝わるものをフレームで吸収している感じはしないのですが、極太のリムとそこに合わせるタイヤ、さらにその低圧にセットできるメリットから、乗り心地は200km以上も余裕でこなせる許容範囲です。
路面の割れや続くような場合は、そりゃルーベが最高ですが、この走りとのバランスとしては悪くありません。


細部を見ていくと、特徴的なのはブレーキとハンドル周りですね。




フォークと一体となったブレーキはただの制動部品としてだけでなく、空力向上のためのエアロフィンの役割も兼務しています!
UCIルールでは、ダウンチューブは3:1の比率以内に太さを収める必要があります。厳密に決められているということは、それだけ効果が高いと言えるでしょう。
それをこの流麗な一体型ブレーキを用いることで、フォーク&フレームが一体化し、空気の流れを他にはないレベルで整えて、抵抗を減らしています。


肝心の制動部品としての性能ももちろん問題なし!
一般的なキャリパーブレーキとは制動力の立ち上がりとタッチは異なるものの、効き自体はコントローラブルです。
この辺は、MTBで、Uブレーキ、カンチブレーキ、Vブレーキ、ディスクブレーキと経験豊富なこともあり、対応が直ぐ様出来ましたが、ロードキャリパーしか触ったことない場合は、慣れるまでは違和感を感じてしまうかもしれません。

この大きなレバーでギュッと効かせるので、絶対的なストッピングパワーは十分ですね。
ただし、ワイヤーのたわみ、そしてインナールーティングなので、セッティング命とも言えます。信頼おけるメカニックに組んでもらうことは必須だとは言えます。


リアも同様で、ここに位置させることで、ペダリングの乱流を低下させて、前面投影面積以外に後ろに引っ張られるようなドラッグを減らしてくれています。

ステムとハンドル周りも一体設計です。
ここは前面投影面積の低減に、効果を発揮しています。
ステムはほぼ水平、16度が一番効果が高いので、なるべく低くして、かわりにハンドルをアップライズにしてポジションを出すのが特徴的です。


ハンドルは上面フラットで手を置きやすく、攻撃的なルックスと違ってリラックスして乗りやすいです。
リーチは僅かに長め、ドロップも低い姿勢を保つために深めになっています。
 ポジション合わせるために、別体になっていますが、一体成型のように剛性高いです。


エアロは机上のものではなく、実際のライドで効果を得る、最大化されるようになっています。
ダブルボトルでも、悪影響しないことはとても大切なことです。

ちなみにカーボンボトルケージ、それに付随する携帯工具システム、SWATもパッケージに含まれていて、ライドに必要なもの、オール・インになっていもいます。


もちろんUCI認可をとっていますので、ロードレースでの使用も全く問題ありません!

このチェーンステーの造形などフレーム各所は、とてもそそる仕上がりになっています。


このブレーキの一体化と逃げとの造形もたまりません!!


ちなみに、DI2の充電はこのエアロカバーに内挿されていますので、カバーを外して行います。
特別感を醸し出す、作業ですね~♪


ステムはサイジングにより導き出された長さに交換可能です!

エアロロード、薄くつくってエアロ効果もあり軽量です、って感じではなく、エアロ効果はもはや高くて当然であり、ロードバイクとしての骨太な乗り味と性能を高めたViAS、是非実際に”ガッツリ”試乗して実感してみてください!!